流離

脱?酔っぱらい@徳島

30歳のおれは、毎週火曜日から木曜日、会社帰りに学生服に着替えて、不良のたまり場であるゲーセンに通うのを楽しみにしていた。あるゲーム(なんかごっついかわいいキャラがウリのパズルゲー)が異常に得意で、おれがプレイを始めると、不良たちが周りを取り囲み、「おおっ!」と歓声を上げる。プレイ後、「ふくやん、おつかれ!」とジュースをおごってくれたりした。
いつものように木曜日のプレイを終え、おれは学生服のまま、夜の街をどこへともなくぶらついた。ふと気がつくと、学生服の内ポケットにマルボロが入っていた。4ヶ月前からたばこをやめているが、なんということもなしに、くわえて火を付けた。30歳なので、喫煙は法的になんら問題ないのだが、学生服とたばこいう、社会的相性の悪さを少し気にした。警官と鉢合わせたら、なんか言われるやろなと思った。まあ、そんときはそんとき、笑い話の種になるわと夜の街を闊歩した。
しばらく歩くと、行く手に警官が4人、向こうを向いて立っていた。あーあ、と思ったが、むしろいたずら心が湧いてきて、自分から警官に近づいていった。
警官まであと10mと迫ったとき、異様な雰囲気に気がついた。そこは、4人の警官とやくざが銃を構えて対峙している現場だったのだ。すでに1人の警官が血を流して倒れている。うーわ!瞬間的におれは回れ右をした。そのとき、4人のうち1人の婦人警官がおれに気づいた。その婦人警官は、なぜかゆきちゃんだった。
おれは相変わらず学生服でたばこをふかしていたが、やくざと銃構えて対峙している状況で、さすがにたばこはどうでもええやろうとふんでいた。ところが、ゆきちゃんは大声で、「こらこらー、そこの制服ー!」とおれにつっこんできた。ええっ!?
他の警官も、やくざも、野次馬も、なんだなんだとこちらを向いた。やばい!いやいやゆきちゃん、違う、学生じゃないって、おれおれ、ふくはら、30歳、ね?とアピールすると、ゆきちゃんはおれがおれだと認識したらしい。しかし次の瞬間、おれに向かって躊躇なく連続発砲しながら叫んだ。
「あんた、禁煙しよったやろー!!」
へんな夢。。。